【無駄のないVtuber作製講座】Part 5-1: Live Link 編

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今回から、Unreal Engineに取り込んだ3Dモデルの表情を、人間の表情と対応させていきます

人間の表情を読み取るツールとしては、iPhoneを使用します

X以上のバージョンを入手しておきましょう

(残念ながら、本記事シリーズではAndroidを用いたVtuber作製方法は解説しておりません。ごめんなさい)

iPhoneを用意したら、App StoreからLive Link Faceをダウンロードしましょう

顔の輪郭のアイコンとなっています(図1)

アプリを開いたら、左上の歯車アイコンから設定画面に入ります

頭の回転をストリームを有効としておきましょう

また、Live Linkという設定項目内のサブジェクト名にはiPhoneの名前を、ターゲットには用いるPCのIPアドレスを入力します

IPアドレスを確認する際にはコマンドプロンプトを開き、ipconfigと入力します

ここで、PCとiPhoneは同一ネットワーク環境内にあることを確認しておきましょう

図1. Live Link Appの設定方法

次に、PC側の設定をUnreal Engineで行います

Unreal EngineのMarketplaceでFace AR Sampleが公開されていますので、これを用います

プロジェクトを作製する、クリエイト、起動を順に選択し、FaceARSampleを開きます

ウィンドウからLive Linkを開き、接続したいiPhoneが認識されていることを確認してください

接続できている場合は、緑の丸アイコンが表示されます

このときLive Linkができていない場合は、以下の2点を確認しましょう

①iPhoneとPCが同一ネットワーク内にあること

②ファイアウォールでUnreal Engineが許可されていること

の2点となります

Unreal Engineを閉じてから開きなおすことで解決する場合もあります

図2. Live Linkに関するPC側での設定

自作Vtuberを試す前に、もともと用意されているサンプルのカイト君を用いて、自身の表情とリンクするかを確認しましょう

コンテンツ内Animationsディレクトリから、カイト君のAnimBPを開きます(図3)

ここでブループリントと呼ばれるノードのつながりを表す画面が表示されますが、Live Link Subject Nameからご自分のiPhoneを選択しましょう

そしてコンパイル、プレイを順にクリックすると、iPhoneで認識された自分の表情がカイト君に反映されます

【補足】

以前、Vtuberの表情に対応するシェイプキーの作製方法について解説しました

このとき、シェイプキーの名前は動作に応じて決定されていましたが、この動作の種類・名前についてはメッシュの項目から確認することができます

シェイプキーは、Unreal Engineにおいてはモーフターゲットと呼びます

カイト君のモーフターゲットの数値を動かしてみることで、どのような動作が起きるのかを確認してみましょう

例えば、browDownLeftの数字を0から1に変化させれば、眉毛が下に下がるはずです

このように動作と対応する名前を参考にしながら、Blenderにある自作キャラに対してシェイプキーを設定しておきましょう

図3. Face AR Sampleを用いたLive Linkの設定

カイト君を用いた動作確認ができたら、自作キャラの動作設定を3ステップかけて行っていきます(図4)

①「コンテンツ/ThirdPersonBP/自作キャラ名」のディレクトリにある、自作Vtuber本体のファイルを選択します

すると、Blenderで作製したシェイプキーがモーフターゲットとして一覧表示されます

browDownLeftなどといった各動作に紐づいた数値を動かし、対応する変化が3Dモデル上に反映されるかを確認しましょう

②続いては設定からプラグインの導入を行います

検索欄にarkitと入力し、Apple ARKitとApple ARKit Face Supportにチェックします

これら2つのプラグインに加えて、今度は検索欄にlive linkと入力し、Live Linkを有効にします

これで、自作シェイプキーは自動的にLive Linkに対応し、自分の表情がVtuberの表情に反映されます

③しかし、まだ終わりではありません

まだ、顔の傾きなどといったボーンの回転を伴う動作は、Vtuberの動作と関連付けられていません

そこで、このための作業を行っていきます

先ほどの①で開いたVtuberのファイルを右クリックします

表示されるメニューのスケルタルメッシュアクション下部から”作成する”を選択し、Animブループリントを左クリックしましょう

ここで新しくブループリント用ファイルが作られますので、「キャラクター名_BP」という名前に書き換えます

これでブループリントファイルの作製は終わりです

次回から本格的にVtuberのボーンの動作と人間の動作を対応付けていきます

図4. 自作VtuberのLive Link設定

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