はじめに
2015年の1月から2016年の1月にかけて刊行されていたデアゴスティーニの「マイ3Dプリンター」
毎週パーツと雑誌を購入して、1つの3Dプリンターをつくることが目標になっています
2023年である現在において、これは既に8年前のものとなっていますが、GAINENZでは1~56巻の全てを入手し、完成させてみました
全製造工程の要約は以下に動画で示す通りです
電子部品のはんだ付けは終了した状態でパーツが配布されておりますので、基本的にはパーツの配置・取り付けや配線、軸位置のキャリブレーションなどといった組み立て工程を行うことになります
様々な重要なパーツがありますが、本記事ではその中の一つである「リミットスイッチ」に絞って解説し、その動作不良が起きた場合の対処法を示します
リミットスイッチ
リミットスイッチとは、その名の通りリミット(限界)を決めるスイッチです
上の写真のような形状を有します
右上のほうには、黒いコの字型の部品があります
これがリミットスイッチの最重要部分である「軸の検出部分」になります
そして軸には、コの字型の隙間に通れる程度の大きさの板(ドグ)が連結されています
軸が限界まで動くと、このコの字の間にドグが通過することになります
そしてこのコの字部分の隙間には常に一定の光が通過し、同時に検出されておりますが、隙間に何かが通ると、検出される光量は低下します
つまり、軸が限界まで動いたときにドグがコの字部分を通ると、光が遮られることによって、軸が限界位置にあることを検出することができるのです
この動作については、実は簡単に確かめることができます
こちらの動画を用意いたしました
動画では、まずコの字型パーツにドグが通過すると、軸の移動が停止し、原点の設定が行われていることが確認できます
次にコの字型パーツにあえてマイナスドライバーを挿入すると、軸の移動途中であっても原点が検出されたものとみなされ、軸の移動が停止します
このようにして、リミットスイッチが正常に動作することを確かめることができます
初期不良への対処法
今回GAINENZでは8年前に販売されていたパーツを入手し、組み立てに利用しました
というわけで当然のように、組み立て時には動作不良が起きるわけです
具体的な症状としては、「Z軸モーターを回転させて原点検出を行おうとすると、原点が検出されずにモーターが回り続ける」というものです
この場合、プラットフォームが一番下の限界に達しても、原点が検出されないことによって、物理的な制約を超えて無理にモーターが動き続けようとし、嫌な音を生じます
では、このような動作不良に直面したらどうすればよいのか?
機械の動作不良はケースバイケースであり、一般的な解答というものはありません
しかし、その原因を明らかにするための一つの原則ならあります
その原則とは、「コントロール実験を行う」ということです
コントロール実験とはつまり、一条件だけを変えて、同じ動作をテストすることですね
今回の例を取り上げると、まずは「原点が検出されない」という症状からリミットスイッチを原因として疑ってみるわけですね
そしてリミットスイッチを新しく購入し、従来品を置き換えてみて、同様の動作を試みます
これで動作が改善されれば、めでたしめでたしというわけです
しかし今回の場合においては、実はリミットスイッチを置換するだけでは動作が改良されませんでした
そこで次に疑うのは、リミットスイッチとコンピューター部分を繋ぐケーブルになるわけです
このように、コントロール実験においては変更の対象とする一条件を、動作が改善されるまで次々に変えていきます
これを繰り返すことによって、最終的には、動作不良の根本的な原因にたどり着くことができます
今回の場合、ケーブルについてはY軸用のもので代用してみて、動作が改善されることを確かめてから、新たにZ軸用のケーブルを購入しました
出来るだけ手持ちのパーツで代用しながら、動作不良の原因を明らかにできるとよいですね
以上、3Dプリンターのリミットスイッチと、動作不良への対処法でした
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。