スタンプ ヨシ!

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欲しい絵柄の スタンプ があったら、どうやってつくりますか?

消しゴムを掘る、といった方法が知られており、それは一つの答えかもしれません

ただ、消しゴムを掘ってスタンプを作製する場合、一度ミスをすると修正が効かないですよね

大量生産もできません

オススメは、3Dモデリングと3Dプリントです

以下では、その方法をお見せします

ヨシ!というセリフで有名なあのキャラクターです(著作権的には、個人利用の範囲なら問題ないそうです)

スタンプ の3Dモデリング・3Dプリント

以下の工程はルーティン的なものであるため、詳しい説明を省略します

代わりに、キャラ本人が喋りそうなセリフで統一しました

ワイヤーフレームモデルヨシ!

サポート材ヨシ!

スライシング設定ヨシ!

読み込みヨシ!

3Dプリントヨシ!

3時間19分ヨシ!

持ちやすさヨシ!

ぱっと見ヨシ!

二次硬化ヨシ!

インク購入ヨシ!

ピッタリサイズヨシ!

合格スタンプヨシ!!!!

おわりに

 動画のところでお気づきの方もいるかもしれませんが、今回のレジンは前回のをろ過せずに用いたので、印刷と関係ない領域に塊のようなものを含んでしまっています。それでも、なんとかなりましたね。

 加えて、スタンプの作り方に関してです。スタンプってインクが乗るところと乗らないところのTRUEかFALSEかしかないので、黒か白かでとらえるのとと同じなんですよね。すなわち、スタンプをつくる技術って画像の二値化と同じってことだと思うんです。そこで画像から簡単にスタンプをつくるような処理を行うとしたら、一般的には大津の二値化とかがいいかもしれませんね。

テンセグリティの完全3Dプリント②成功編

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前回テンセグリティ を3Dプリントしたものの、鎖構造の造形に失敗しました

ですので、今回はその失敗原因を克服します

その指針は、①鎖を大きくすることで造形しやすくすることと、②鎖部分のサポート剤を手動で設置することで鎖同士がつながらないようにすること、の2点です

これによって、前回のような「鎖同士がくっつきあったままとれない」という状況を克服します

そこで、このような設計指針を満たす構造として、改良を加えたものが下に示す通りです

鎖の構成単位である単一の輪っかをできるだけ大きくし、輪っかの総数は減らすようにしています

また前回は述べていませんでしたが、こちらの構造はおそらく、その複雑性のため、このままでは印刷できません

その原因として挙げられるのが、天井にある空洞内部を鎖が貫入している箇所です

空洞内でまた別の物体が印刷されるという複雑な事態を避けるため、鎖は曲げてやることにします

下の図のように、この操作を3つの全ての鎖に対して行います

これによって、鎖が空洞内を貫入するという複雑性を解消します

さて、これにサポート材をつけましょう

上から見た図は、こちらになります(下)

一度、自動でサポート材を設置してから、鎖同士をつないでしまっているような不要なものを除いています

さらに、不要なサポート材を除いた分だけ、手動でサポート材を足しています

基本的には、鎖を下から支えるようなサポート材を意識してとりつけます

加えて、印刷物全体がビルドプラットフォーム全体に広がるように設定しておくことで、造形の解像度問題を克服できます

それでは、早速印刷です

今回は3時間28分かかりました

不眠症を利用し、印刷直後の22時に寝て1時に起きたことで、その後の作業にスムーズにとりかかりました(助けてくれ)

できた構造は上の図のように、意図した通りとなっています

ここからはサポート材を丁寧かつ慎重に取り外すという労働になります

ビルドプラットフォームから取り外された姿はこの通り(上)

下側の鎖から取り外すのが一番やりやすそうです

まずは、鎖を一本取り外せました

意図通り、柔軟であることが写真からもわかるとおもいます

2本目のサポート材も頑張って取り外します

ただの肉体労働です

そして3本目の鎖に取り掛かろう、というときに一つ問題が生じました

鎖同士が融合してくっついてしまっていたのです

しかし大丈夫でした

かなり先端のほうだったので、その部分を切り離しても、残りの鎖は十分な長さがありました

(あぶない。。。)

というわけで、3本目までサポート材を除去するとこうなります(上)

最後に、中央のサポート材を除去することで得られた真の姿がこちらになります

ちゃんと柔軟な構造になっています

あとは二次硬化してから、それぞれの鎖を天井の爪に取り付けるだけですね

完成です

見た目的には、バランスよくしあがっています

鎖の長さは、単一鎖内のどの輪っかを爪につなぎとめるかによって決められますので、自分次第でバランス調整できるということになります

最後に、いろいろ触ってみることで、その挙動を調査しました

動画で示します

押しても倒れず、ひねるような動きを加えても倒れません

さらに予想以上であったのが、天井部分を持ち上げても構造が保持されたということです

ただよく考えてみると、それは当たり前なんですね

もっと驚きに値することとしては、床部分を上にしてもちあげてみても、構造が保持されたということです

これは爪と鎖の輪っかがうまい具合に噛み合っていることで実現できたということになります

以上をもちまして、3Dプリントした材料だけでテンセグリティ構造を実現できました

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

テンセグリティの完全3Dプリント①失敗編

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結論からいうと、テンセグリティのヒモ部分も含めた「完全な3Dプリント」は難しいため工夫が必要です

なぜ難しいか

完成予想図を上のようにデフォルメしたとしましょう

これをダイレクトに3Dプリントすることを考えたとします

まず前提として、3Dプリントする上では鎖同士が余裕をもって連なっていないといけません

仮に、鎖同士に余裕がなく、最初から引っ張られているような状態だったとすると、造形時に互いにくっついてしまうからです

ですから、上の図のように、鎖は余裕をもって連なっていることが前提条件となります

そこで、緩めの鎖でそのまま印刷してみるとします

今度は、上の図のようなことが起こります

天井が重力によって下に落ちようとすると、中央の鎖は下に引っ張られます

ところが、両側の鎖は引っ張られずに、むしろさらに緩むことになります

この原因は、天井のついている位置関係が「中央の鎖」と「両側の鎖 」では真逆であることによります

すなわち、中央の鎖は天井が下側に接続されている一方で、両側の鎖は天井が上側に接続されています

これによって、中央か両側かでは張力方向も真逆になります

したがって、このように中央の鎖が緩んでしまうと、両側の鎖は張力を失い、構造の崩壊につながります

これではテンセグリティになりません

最初から中央の鎖も、両側の鎖も張力をもっていることが望ましいのですが、これは上述した3Dプリントの前提に反しています

だから3Dプリントでダイレクトにテンセグリティを作ることは難しいのです

解決策

両側の鎖の緩みが問題となるなら、そもそも天井と両側の鎖との接続を断ち切ってしまえばいいのです

この構想は上の図に示した通りです

ただ、断ち切ってしまうだけだけだと、天井と接続できないということが問題になりますね

だから今度は、天井部分に鎖をつなぎとめられるような爪をつけることが鍵となります

このとき、図のように天井部分がくりぬかれていれば、鎖は鉛直な方向性を保ったまま天井と接続することができます

そこで、実際にBlenderでモデリングしたものがこちらとなります(下)

感想:3Dプリント、めちゃくちゃ難しそう

しかし物は試しと言いますから、とりあえず取り組んでみました

まずモデルに対してサポート材をとりつけると、上のようになります

今思うとこれが良くなかったかもなんですが、サポート材の設定が面倒すぎたため、ほぼ自動で任せてしまいました

あとで気づいたのですが、自動設定だと鎖同士にサポート材がつけられてしまい、これが後々とれないことになります

加えて、鎖がそもそも小さい、というのも良くないポイントだと思います

今回は、一回目ということもあり、そのまま印刷しました

そして、できたものがこちら(上)

ぱっと見では、できてそうなんですよね

しかし実際には、できていません

こちらの動画をご確認ください

このように、鎖がそもそも鎖として機能しておらず、動画の最後には構造が崩壊しきっています

この印刷された構造においては鎖が互いにつながってしまっており、もはや柔軟性が失われてしまっています

この原因としては、自動設定されたサポート材が鎖同士をつないでいることや、鎖が小さく成形されにくくなったことが挙げられます

鎖同士をつなぐサポート材を外せば良いと思われるかもですが、結局はその鎖の小ささのため、手作業で外せるレベルにありません

成功に向けて

今回の問題は鎖だけです

そこで、次回は鎖をもう少し大きめにモデリングし、かつサポート材をできるだけ手動で設置します

ジェネヴァ機構の3Dプリント

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前回の記事では、ジェネヴァ機構の3Dアニメーションを作製しました

GAINENZでは、そういったものを現実化することを目標としています

ですので、印刷を試みました

まず、blenderの画面を見ましょう(↓)

3Dアニメーションと唯一違うのは、パーツを切り離しておかなければならないことです

切り離さないと、くっついたまま出力されてしまい、回転できなくなります

適当に配置したら、stlオブジェクトとして出力し、スライシングソフトで読み込みます(↓)

先ほどのBlender編集画面では、特に印刷物の大きさとかは気にしませんでしたので、ここでその設定をします

印刷物の床となる「ビルドプラットフォーム」を敷き詰めるかのように、印刷物を拡大しておきます

これだけです

3Dプリントと回転挙動

印刷します

印刷中は、光照射面が照射ごとに表示されます(↑)

雪の結晶みたいできれいですね

今回は、1時間30分ほどで印刷が終わりました

感覚的には、早い方です

geneva-platform

ビルドプラットフォームはこんな感じ

簡単な構造ですし、失敗せずにできました

そして、いつも通りサポート材を切り取ります

て感じで、完成です(↑)

ぴったりハマりました

穴と軸の大きさ関係には余裕をもたせたはずですが、意外とみっちりです

とりあえず重要なこととして、くれぐれも穴と軸の直径を同じにしないようにしましょう

最後に、確認としてジェネヴァ機構の挙動も確認できました

原動部分を6回転させると従属部分が1周しますので、頑張れば∞周でもいけるということになります

(途中でつっかえることがないということです)

完全に成功です